ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガッローニが2015年のソノマについて概観を公開しています(Sonoma’s Sensational 2015s, Part One (Mar 2017) | Vinous - Explore All Things Wine)。

Old vines

2015年は、4年連続の旱魃で雨が極端に少なかったことと、生育が早かったこと、開花時期に天候が不順で収穫量が大幅に減ったこと、といったかなり極端な天候でした。場所によっては全く結実しなかったところもあるそうです。収穫は30~50%も減りました。特にピノ・ノワールは影響が大きく、ピノ・ノワールよりも開花時期が遅いジンファンデルなどは、比較的影響が少なかったとのことです。

ただ、収量が少なくて味が凝縮したことと、生育が早くて酸が落ちてくる前に実が熟したことから、品質的には非常にいいものが多くなったようです。昨日記事を公開したサークや、1週間ほど前に書いたリヴァース・マリーの2013年も素晴らしいできでしたが、2014年はそれ以上にいいという評判があり、2015年はさらにいいとなると、品質(特にピノ・ノワール)はすごいことになりそうです。

ジンファンデルもシラーもいい年でしたが、シャルドネに関しては、賛否両論あるようです。凝縮感が出過ぎてあまりよくなくなっているところもあるとか。

似たような傾向は2014年にもあったので、2015年は2014年の少し極端バージョンと思えばいいのかもしれません。

このほか興味深いのは、「今年良かったものリスト」として、さまざまなワイナリーや品種などの名前を挙げていること。

・2015年のピノ・ノワール(ドラマチックで豊満なピノ・ノワールになった一方で新鮮さも素晴らしかった)
・カーライル(かつては黒系の果実味だったが赤系に変わった)
・セリタス(2014年のピノは誰もが欲しがる)
・デュモル(素晴らしい)
・フェレン(Ferren)(シャルドネがすばらしい)
・ワンス・アンド・フューチャー(ジョエル・ピーターソンの新プロジェクトはインプレッシブ)
・ポール・ホブズの新ピノ・ノワールFraenkle-Cheshierは、これまでのポール・ホブズのピノのベスト
・リトライ(すばらしい、特に2015のシャルドネが)
・マルティネリ(以前より味わいがフレッシュになった
・オキシデンタル(キスラーの新プロジェクトは息を呑むでき)
・ペイ(これまでの最高)
・リヴァース・マリー(ピノもシャルドネもすばらしい。カベルネもそれくらい真面目に作ってくれたらいいのに)
・ロキオリ(2015年のシャルドネがいい)
・ロシアン・リバー・ヴァレーのジンファンデル(2015年はすばらしい)
・ヴェリテ(すばらしい)
・ウォルター・ハンゼル