アントニオ・ガッローニをご存知でしょうか。

といっても、本サイトではほとんど前置きなくガッローニやそのサイトヴィナス(Vinous)を取り上げていますが、たまには彼のこともきちんと書いておきましょう。

ガッローニは2004年にイタリアのピエモントのレポートを自身で始め、2006年にWine Advocateのレビュアー陣に加わりました。当時は、パーカーの後継者と思われていたピエール・ロヴァーニがやめたところでした。

2011年にはカリフォルニアやブルゴーニュのコート・ドールといった重要地域を任されるようになり、パーカーの後継者確実と思われていました(Wine Advocate誌に大変革,カリフォルニアとコート・ドールはAntonio Galloniの担当に)。テイスティング能力でもパーカーに勝るとも劣らないのではないかと言われており、プロからも高く支持されていました。ところが2013年に突然同誌をやめてヴィナスを設立(速報:Antonio GalloniがWine Advocate誌を辞め、自サイトオープンへ)。一時はWine Advocateがヴィナスを提訴するなどの問題が起こりましたが、その後和解したようです(詳しいことは明らかになっていません)。

2014年には、これもプロから高く評価されていたステファン・タンザーのIWCを買収(アントニオ・ガッローニのヴィナスがタンザーのIWCを吸収合併)。名実ともにWine Advocateのライバルとしての位置を確立したといっていいでしょう。

そのヴィナスで、このほどシラー種初の満点ワインが誕生しました。カリフォルニアの、というわけではなく、ローヌなどを含んで初めてという意味です。

最近は満点が珍しくなくなったWine Advocateに対し、ヴィナスでは満点はまだまだ珍しい存在。タンザーのIWCも点数はやや渋めにつくと言われています。例えばWine Advocateでシラーの満点ワインを検索すると99もでてきます。カリフォルニアであればアルバンやコルギン、シネ・クア・ノンなどがありますが、それ以上に圧倒的に多いのがローヌのギガルやシャプティエ、シャーヴです。

前置きが長くなりすぎましたが、そのヴィナス初のシラー満点ワインがカリフォルニアでした。ワイナリーはコングスガード。ここもシラーの名門の1つですが、Wine Advocateではまだ最高99点で満点はありません(シャルドネのジャッジでは満点を取っています)。

畑はハドソンでヴィンテージは2014。

なお、2013年のシラーはこちらの記事で試飲しています。
コルギン vs. ムートン、ダナ、コングスガード どれが一番おいしい?

ヴィナスが満点つけたシラー、気になりますね。生産量288ケースと少なく、国内入荷もわずかです。ショップへの追加入荷もまずありませんので、早い者勝ちです。



飲みたいけど高すぎる~という方には、別のハドソン、シラー、いかがでしょうか?